社会課題

空き家問題とは?

空き家問題

所有者である高齢者が老人ホームに入居したり子供宅に転居したりなどして、誰も住んでいない状態の家(空き家)が増えています。
今後、高齢化・少子化が進むにつれてその勢いは増していきます。特に利便性の悪い地方での空き家の増加が予想されます。

空き家数の現状と今後の見通し、そして空き家が増えることでどのような問題が起きるのか解説します。

空き家数の現状と今後の見通し

空き家数の現状

2015年に発表された総務省統計局の「平成25年住宅・土地統計調査」では、2013年の全国の空き家数は約820万戸(全住戸の7分の1)でした。そこから売却用や賃貸用などで不動産会社が管理しているものを差し引いた「所有者による定期的な利用がされていない状態の空き家」が2013年時点で318万戸となっています。

問題とされるのはこうした放置状態の空き家が増えていることです。空き家数の約4割を占めており、かつその割合は増加傾向にあります。

空き家数の今後の見通し

今後は、第一次ベビーブーム(1947年から1949年)のときに生まれた、人口の多い「団塊世代(2020年時点で70〜73歳)」が亡くなる際に、その子供の団塊ジュニア世代が親の住宅に住まず、売るに売れない状態になると著しく増える懸念があります。

このままいくと15年後には倍以上となる2,000万戸にまで拡大することが予想されています。

空き家問題が起こる背景と原因

空き家が発生する最も一般的な原因は、自宅を所有する高齢者が老人ホームなどの高齢者住宅や子供宅などに転居することです。今後は団塊の世代を含めた高齢者は急激に増えていくのに伴って空き家もどんどん増えていきます。

また、税制上の問題もあります。
住宅が建っている土地は更地よりも土地の固定資産税が安くなるという「住宅用地の軽減措置」が適用されているため、空き家を壊して更地にしてしまうと固定資産税が上がってしまうのです。

空き家が増えることで起きる問題

それでは、空き家が増えることで実際にどのような問題が起きるかについて説明します。

地方自治の崩壊

空き家問題は個人だけでなく地域全体に影響を及ぼします。その中の最たるものが、地方自治体の財政破綻でしょう。

空き家が増えるということは地域に住む人が減るということを意味します。すると税収の減少や施策の非効率化によって、道路や水道といったインフラを維持することが難しくなります。
2013年の調査結果では空き家率は13.5%でしたが、空き家率が30%を超えると財政破綻が懸念されます。2007年に財政破綻した北海道夕張市の空き家率は33%、2013年に財政破綻した米国のデトロイトは29.3%でした。

近隣住民への悪影響

住人不在の住宅は傷みが一気に進行します。老朽化が進むと屋根や外壁が剥がれ落ちたり、建物が傾いて倒壊する危険性が高まったりするなどの問題が生じます。

また、庭の雑草が伸び放題となってしまい景観を乱すだけでなく、蚊やスズメバチや害獣の発生にもつながります。

それ以外にも、ホームレスなどの不法占拠、粗大ゴミなどの不法投棄、放火の原因になるといった可能性があり、近隣住民に悪影響を及ぼします。

地域の資産価値の減少

空き家が増える一方で供給が減らないとその地域全体の住宅価値が下がるという問題もあります。
また、地域の人口が減ることでスーパー・銀行・診療所といった施設の撤退につながり、地域の利便性が低下してますます地域の資産価値が減少する、という負のスパイラルに陥ってしまいます。

空き家問題の解決に向けて

このように空き家が社会問題となるなかで、日本政府としても対策に乗り出しています。
商業利用を促すことで空き家を解消するために、2019年6月に改正建築基準法を施行して、空き家住宅の用途変更の要件を大幅に緩和しました。
また、内閣府の「Society5.0」のなかで、中古住宅の流通市場を2025年までに8兆円規模に押し上げるという目標を立てています。

空き家問題をビジネスチャンスと捉えている企業もあります。
中古住宅のマッチングサービスなどは分かりやすい例ですが、シェアスペースとしての活用リモートワークの拠点としての活用などの面白い取り組みが登場しています。そうした、空き家問題の解決につながるようなソーシャルビジネスを紹介していますので、ぜひ合わせてご覧ください。

Gerd AltmannによるPixabayからの画像
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