人手不足で企業の採用戦略の過ち再び。転職には好機

3月に入り2018年4月入社予定の新卒の就職活動が始まったこともあり、新聞紙面でも採用に関する記事が掲載される日が多くなってますが、中途の転職市場も活況を呈しているようです。

転職を考えているなら時期として今はチャンス

つい最近も、私の勤める会社の営業マンが退職したが、5年前に転職した時はなかなか決まらなくて本当に辛かったけど今回はものの1ヶ月で3社から内定が出たという話だった。
条件面も良くなったとのことだが、その営業マンがそれほど成長したようには見えないので、やっぱり転職はその時の労働市場の需要と供給の状況に大きく左右されるのだと再認識させられた。



多様性が大事と言いつつ新卒一括採用を続けるという矛盾

最近の新卒採用戦線はかつてのバブル時代の様相を呈しており、内定者を旅行に連れて行って拘束する例も出てきているそうで、「まさに時代は繰り返す」と感じている。
先日(2017年3月8日)の日経新聞記事では、「新卒ユニーク採用広がる」と題して多様な人材の確保を目指し、従来とは異なる手法で新卒採用に取り組む企業の動きとして、三井物産が2泊3日の合宿方式で選考を行う事例に触れながら「短時間で自分の良さを伝えるのが苦手な学生の取りこぼしを防ぐ」という人事総務部のコメントを紹介していた。これを読んで、ユニークとか多様性とかいうよりも、数を補うためにハードルを下げているだけに見えてしまうのは私だけだろうか。

時代は繰り返すのに過去に学ばない企業

過去を振り返ってみれば明らかなように、バブル時代に採用した人材は平成不況の頃には戦力にならなかった。さらに、その世代が会社に居残っているために採用人数を絞らざるを得ず、頭数の多い団塊ジュニア世代にとっては、求人数は最少で求職者は最多という超絶的な就職氷河期になった。
極めつけは、優秀な人材に社費留学でMBAを取らせた挙句、留学から戻ってくると旧態依然とした組織に嫌気がさして、転職や起業で会社を去ってしまうということが多発した。

今の人手不足をハローワークで仕事を探す人1人あたり何件の求人があるかを示す有効求人倍率(2017年1月)でみると、宅配サービスなどを含む自動車運転(2.68倍)、介護サービス(3.53倍)、建設(3.83倍)といった肉体労働系の職業において最も深刻な問題となっている。2016年の技能労働者数は326万人と2007年と比べて44万人ほど減少しており、10年後には最大93万人不足する見通しとなっている。
一方で、一般事務(0.36倍)、会計事務(0.73倍)といった事務系の職業においては買い手市場となっており、需給のミスマッチが発生している。

さらに今後はAIの進化で省人化が進むため、ますますこの傾向は強くなると容易に想像できる。このような潮の変わり目の時にホワイトカラーワーカーをお金と労力をかけて取り合っている企業の戦略性の無さには首を傾げざるをえない。先を考えれば、あと5年以内には再び需要と供給のバランスが逆転する時が来るので、優秀な人材を採用したいならその時にこそ逆張りで積極的に採用するべきだ。

今は採用にコストをかけるよりも、子育てや介護等で働き方に制約のあるような優秀な人材が働きやすい職場環境を整えたり、従業員教育やシステム投資で労働生産性を高めるような投資をした方が経済合理性にかなっている。また、そのような先見性をもった会社でこそ働きたいという人達が数多く集まってくるだろう。



編集後記

企業と新卒一括採用制度に対する批判が中心となってしまったが、個人にとってはチャンスの時だと思う。
景気循環で考えたら、少なくとも5年以内には厳しい時代が再来する可能性は高いので、この売り手市場の間に余裕をもってじっくりと企業を見極めた上で転職し、そして腰を落ち着け、景気が悪くなった頃に焦って再び転職先を探すようなことにならないよう、先を読んで備えておくことが大事だと思う。

大事なので最後にもう一度繰り返すと、転職の成功は労働市場の需要と供給に左右されるのでタイミングが大事だということ。基本的には運に左右されるが、労働市場の需給バランスの循環と自分のキャリア転換のタイミングが合うように常に意識して設計することが大切だということだ。

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