社会課題

独居老人(高齢者の一人暮らし)問題とは?

独居老人

高齢化社会や核家族化が進む中で65歳以上の一人暮らし、いわゆる独居老人となる人が増えています。

高齢者がひとりで暮らしていると、さまざまな問題が起こり取り返しのつかない事態にもなりかねません。ここでは独居老人の現状について解説するとともに、その問題と解決についても紹介していきます。

独居老人とその現状とは?

内閣府の『令和元年版高齢社会白書』によると、65歳以上の一人暮らし、独居老人は2015年(平成27年)には男女合計で約600万人に達しました。男女別にみると男性が約200万人、女性が約400万人となっています。

この数値は増える傾向にあって、2025年(令和7年)年には全体で約750万人に達すると予測されています。

独居老人が増えている理由は主に以下の3つです。

1つ目は、さまざまな理由で頼れる人がいないということです。
少子化が進むなかで2世帯や3世帯で暮らす家族が減ったことや、生涯未婚率が増えて家族を持たなかった人がそのまま高齢者となるケースも増え、独居老人が増えているのです。

2つ目は慣れ親しんだ場所から離れたくないという高齢者が多いことです。
一緒に暮らそうという家族がいたとしても、長い間住み慣れた場所から離れることは親しい人からも離れることになるため、敢えて離れて暮らすことを選択します。

3つ目は、そもそも今の暮らしに満足しているという高齢が多いことです。
内閣府が出した『平成26年度一人暮らし高齢者に関する意識調査結果(全体版)』の調べでも8割近くの高齢者が今の生活に満足し、今のまま一人暮らしでも良いと答えています。

こうした理由から独居老人が増えていく現状があるのです。

独居老人が引き起こす問題とは

前述したように独居老人は本人自ら希望して一人で暮らしている人が多くあります。しかし、本人が希望して一人暮らしをしていても独居老人にはさまざまな問題が降りかかります。
ここからは、独居老人が引き起こす問題を解説していきます。

さまざまな詐欺に遭う

詐欺師にとって独居老人は恰好の的です。有名なのがオレオレ詐欺です。
一人暮らしの高齢者宅に子どもや孫のフリをして困った様子で電話を掛けてきて、指定の口座にお金を振り込ませたり弁護士や同僚のフリをした人物に現金やカードを渡すよう指示したりします。

還付金詐欺というのも主に一人暮らしの高齢者を対象にした詐欺です。
犯人は税務署や役所の職員のフリをして、払い過ぎた税金などが返ってくると嘘の電話を掛けてきます。そして、携帯電話を持ってATMに行かせ、電話を掛けながら還付金の手続きの仕方を教えるふりをして上手く指定の口座に振り込ませるのです。

一見、還付金をもらう手続きなのに口座にお金を振り込むなんてありえないと思いますが、犯人は高齢者に考えさせる暇を与えず勢いよく説明してきます。その勢いのまま実際に振り込んでしまった被害者が多くいるのが現状です。

また、特にスマートフォンを使いこなしている高齢者に対しては架空請求詐欺にも気をつけなければなりません。
メールで「サイトなどの料金が未納で、このままほっておくと裁判になります」などの内容が電話番号と共に送られてきます。不安になって電話をしてしまうと、裁判を取り下げるための料金などといって指定の口座に振り込むよう指示してきます。1度振り込んでしまうと、何度も請求されることが多いのが特徴です。

老人性うつ病

望んで一人暮らしをしていても、年を重ねると身体的な機能は低下してきます。体力もなくなり何かに打ち込むことが少なくなると、生き甲斐すらも感じなくなってくるケースが多々あります。
そうなると老人性のうつ病を発症する可能性が高くなります。

老人性うつ病は認知症と勘違いされやすく、特に一人暮らしの場合は発見が遅れてしまう可能性もあり危険です。

認知症が進行してしまう

独居老人は孤独を感じることが多々あり、認知症のリスクを高めます。

誰か同居人がいれば同じことを何度も言ったり着ている服があべこべだったりすると気が付きますが、1人で暮らしていると気づかれることもなく、認知症の症状が進んでしまうのです
すると火事を起こしてしまったり賞味期限切れの物を食べてしまったり、その他取り返しのつかないことになる可能性もありますので気をつけなければなりません。

孤独死問題

独居老人は孤独死をする可能性が高くなります。

高齢になり体が動かなくなると外に出なくなり友人や知人との交流も減ってしまいます。
家の中に引きこもり、体調を崩しても誰にも気づかれることなく死を迎えてしまうこともあるのです。
発見される時には長い時間が経過してしまっているケースも多々あり問題となっています。

ちなみに、一人暮らしをしている人の数は女性の方が多いにもかかわらず孤独死は男性の方が多くなっています。女性の方が高齢者になっても社交的だということがいえるでしょう。

独居老人の問題解決にあたって

独居老人の問題は孤独を防ぐことで多くが解決できます。
家族と一緒に住むのが一番ですが、厳しいようなら家族が頻繁に連絡をとるとよいでしょう。頻繁に会話することで詐欺の被害も防げますし、認知症の進行や体調の変化にも気づけます。

家族がいない場合は、地域の支援センターやサポート、見守りサービス等を活用するとよいでしょう。
また、成年後見制度を利用するものおすすめです。これは判断能力が低下した高齢者の代理人として、財産の管理や契約の締結などをする制度です。

また、高齢者が一人で生活できなくなり、高齢者施設などに入居したりすると、それまで暮していた家が空き家状態で放置されてしまう別の社会問題の発生にもつながっています。
できれば判断力がまだ健全で身体も動く頃から、そうした事態に備えておくようにすることが求められています。

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終わりに|独居老人(高齢者の一人暮らし)問題とは?

独居老人はこれからも増加する傾向にあり、家族がいない独居老人もさらに増えていくことしょう。

さまざまな問題を防ぐには、何より人とのつながりが大切となります。人生の最後を誰にも看取られず、時間が経過してから発見されるのは不憫でなりません。
公的なサービスはさまざまありますので、できる限り活用することをおすすめします。

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