3分でわかる株式投資【伝説の投資家編】

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どの会社に投資するか?を考えるときに、”人気がなく割安に放置されている株(これ以上下がるリスクも低い株)に投資して値上がりを待つ”という「割安株投資」と、”株価は高いものの成長が期待される株(下がるリスクはあるが上昇する可能性も高い株)に投資する”という「成長株投資」という2つの投資スタイルがあります。

現代、世界一の株式投資家として有名なかのウォーレン・バフェット氏は「割安株投資」からスタートし、途中から「成長株投資」を組み合わせるようになりました。

そんな2つの対象的な投資スタイルを代表する2人の伝説の投資家を紹介したいと思います。

ベンジャミン・グレアム | 割安株投資の生みの親

プロフィール

[1894-1976年]

バリュー投資理論を打ち立てた人であり、バフェットをはじめ多くの名投資家に影響を与えました。大恐慌の最中に書いた「証券分析」では、その名の通り証券分析という分野を切り開きました。また、1949年に一般投資家向けに書いた『賢明なる投資家』は個人投資家の最高の指南書としていまだに読み継がれています。

数多くの成功者を育てた「割安株投資の巨匠」

ベンジャミン・グレアムは主に20世紀の前半から中盤にかけて活躍した著名な投資家です。グレアムは投資家として億万長者になり経済的な成功を収めますが、それ以上に「割安株投資」の考え方とノウハウを確立した理論家として有名です。それは多くの投資家に影響を与え、多くの億万長者を生み出しました。その筆頭はウォーレン・バフェットです。

あらゆる危機と変化に対応できる資産運用戦略

グレアムが編み出したのが、現金・債券と株式のバランスを考えながら行う資産運用です。まず、運用資産全体を「現金・債券50%、株式50%」にすることを基本として、株式が有利な時には「現金・債券25%、株式75%」、株式があまり有利でない時には「現金・債券75%、株式25%」というように資産ポートフォリオを柔軟に変化させる戦略です。

株式については、「割安株投資」の手法で選んだ、安全で割安な株を5銘柄以上に分散して投資します。この「安全性の高い割安株を見つけ、5銘柄以上に分散して投資する」という投資法は安全性を最大限に重視しつつ、最大限の収益を狙うということを追求した結果生み出されたものです。実際にグレアムはこの手法を確立して以降、ファンド運用で20年にわたり平均20%(20年累計で資産40倍)という高い利回りを安定して実現し続けました。

名著「賢明なる投資家」

グレアムは一般の投資家向けに自分の理論を分かりやすく説く『賢明なる投資家』という本を書きました。バフェットは19歳の時にこの本を読んで投資家として目覚めたといい、「いまだに右に出るものはない最高の株の手引書」と言って称賛を惜しみません。

フィリップ・フィッシャー | 成長株投資の巨匠

プロフィール

[1907-2004年]

スタンフォード大学のビジネススクールで経営学を学んだ後、証券アナリストなどを経て1931年に投資顧問会社を設立。数十年間成長し続けて何十倍にもなるような超成長投資の理論を打ち立てて成功。バフェットのもう1人の師匠でもあります。代表的な著書は1958年に書いた『フィッシャーの「超」成長株投資』です。

本当に優れた少数の会社に絞り込んで投資する

フィリップ・フィッシャーはウォーレン・バフェットに成長株投資のエッセンスを伝授した人であり、成長株投資の巨匠と呼ばれる人です。割安株投資の巨匠ベンジャミン・グレアムとほぼ同時に活躍し、彼とは対照的な投資法を実践して成功した人でもあります。

大学では経営学を学び、大学教授と毎週様々な企業を訪問してディスカッションするという実地訓練を受ける中で、「良い会社の条件とは何か」「持続的に発展する会社とはどんな会社か」ということに大きな関心を持つようになりました。そして、証券業界で3年ほど過ごした24歳の時には、「徹底した調査により、本当に優れた少数の会社に絞り込んで投資すれば成功できる」と確信して独立しました。フィッシャーのいう本当に優れた少数の会社とは、何十年にもわたり成長し続け、株価が何十倍にも値上がりするような会社のことです。実際にフィッシャーは、ダウ・ケミカル、モトローラ、テキサスインスツルメンツ、コーニングなどごく少数の銘柄に絞りこんで徹底的に調査した上で投資し、それらを顧客とともに何十年にもわたり保有し続け、いずれの銘柄でも何十倍、あるいは何百倍という大きなパフォーマンスを実現しました。

成長株を見極める「15の法則」

1. 今後5年売上を伸ばせる商品を持つ
2. 5年後以降も売上拡大が続けられるような新商品開発の見通しがある
3. 研究開発に熱心で、そこから十分なせいかを生み出す体制がある
4. 独自の強い技術・ノウハウがある
5. 営業部門が優れている
6. 長期展望に立って企業運営がされている
7. 売上高営業利益率が高い
8. 売上高営業利益率を維持・改善するために十分な努力をしている
9. しっかししたコスト分析・財務分析を行っている
10. 良好な労使関係を築いている
11. 管理職の能力を引き出す環境がある
12. 優秀な管理職が豊富
13. 経営者は都合の悪いことも正直に語る
14. 投資家に対して誠実
15. 増資するリスクがない

フィッシャーが考える3つの買いタイミング

傑出した成長株を買うタイミングとしてフィッシャーは以下の3つを勧めています。

1. 一時的に業績が悪化して株価が下落した時
2. 新規事業が軌道に乗る前の試行錯誤の時期
3. リストラを着実に進めて成果が出てきているのに、株価がそれを織り込んでいない時

終わりに

如何でしたでしょうか?両極端な投資スタイルながら2人とも素晴らしい投資成果を挙げています。何方かを選ばなければならないという訳ではありませんが、良いところどりをしようとしてもバフェットのようには上手くいかないとは思います。その辺りが投資の難しいところです。天才達の良いところどりをしようとすることは、知らないうちに自分が彼らよりも賢いという認識を持ってしまっていることを意味しています。

最初は自分が向いていると思うスタイルを研究して経験を積む方が成功の近道かもしれません。

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