社会課題

無縁社会とは?

無縁社会

無縁社会という言葉をご存じでしょうか?この言葉はもともと存在していた言葉ではなくテレビ放送がきっかけとなって生まれた造語です。
ここでは無縁社会について解説するとともに、原因や起こる問題などについても紹介していきます。

無縁社会ってなに?

無縁社会という言葉は2010年にNHKで放送されたドキュメンタリー「無縁社会~“無縁死”3万2千人の衝撃~」という番組から生まれました。
さまざまな理由から親族や地域との関わりがなくなり、社会から孤立する人が増え続けている現実があります。日本では誰にも看取られることなく亡くなり、誰にも偲ばれることなく無縁仏として自治体などに埋葬される人が、年間約3万2000人もいるそうです。

もともと日本は親族同士のつながりの血縁や、地域同士でのつながりの地縁が深い社会でした。特に血縁は社会のなかのもっとも大きなつながりです。
一般的に家族は一緒に暮らし、お互いが助け合い親密な関係を築いてきました。しかし、未婚率や離婚率の上昇が原因で、家族ができなかったり壊れたりして血縁関係が希薄化してきています。

また、もともと地縁は近所付き合い程度のものではなく、同じ地域に属する人同士が相互に助け合ったり、お互いに良い意味で監視し合ったりする間柄でした。何かあればすぐに駆け付けるというような関係です。
しかしながら、この地縁も近所付き合いすら煩わしいと考える人が増えて町内会や自治会への参加が減りました。こうして血縁関係や地縁関係から離れた無縁者が増えていったのです。

無縁社会を生む原因とは

無縁者を増加させる理由は前述したとおり血縁や地縁の希薄化でしたが、無縁社会を生む原因は他にも考えられます。

超高齢化社会

日本の高齢化率は、総務省の統計局によると2019年時点で約28.4%。一般的に高齢化率が21%を超えると超高齢化社会と呼びます。しかも、日本は2019年度高齢化率で世界1位となっています。

高齢者が増えるということは単身高齢者も増えるということです。2010年には「高齢者の地域におけるライフスタイルに関する調査」が内閣府によっておこなわれました。
そこでは多くの単身高齢者が、さまざまな心配事があるにもかかわらずに誰にも相談できない不安をかかえていると答えています。

少子化

少子化は出生率が低下して子どもの数が減ることですが、日本では深刻な問題となっています。
子どもが少ないということは家族が作られないことで、将来家族自体が減るということです。それと同時に現時点では親と関わる子どもが少ないことになりますので、単独高齢者を増やすことにもつながります。

価値観の変化

さまざまな価値観の変化も無縁社会を促進する原因となります。例えば、結婚観です。
ひと昔前は、特に女性は結婚して子どもを作ることが当たり前のような価値観でした。しかし、女性も社会で認められていくなかで仕事にやりがいを感じ、結婚だけが女性の幸せではないという考えが増えました。
女性が社会進出していくなかで男性が草食男子といわれ、男性に対して弱く頼りないイメージを持っている部分もあるのかもしれません。

また、人間関係についての価値観も変わってきています。
人との関わりを望み地域社会や近所の人たちと積極的に関わりを持っていた頃とは違い、人に監視されることを嫌い、人との関わりを煩わしく思う人が増えてきたのです。こうしたことにより人や地域との関わりを持たない人が増えてきています。

無縁社会によって起こる問題

家族や地域の人など、人と関わりを持たない無縁者が増える無縁社会は、深刻な問題を引き起こします。

孤独死

民間の調査機関であるニッセイ基礎研究所が2011年に発表した資料によると、全国での孤独死は年間2万6821人だったそうです。
また、内閣府の「平成30年版高齢社会白書(全体版)」によると東京23区だけで、2018年の孤独死(65歳以上の1人暮らしの自宅での死亡者数)は3179人となっています。

孤独死は死亡してから発見されるまでの期間が長いことが多いです。1人で亡くなり、長い間そのまま放置されることを考えると胸が痛む人が多いのではないでしょうか。しかも、無縁死ともなると身元がわからず、無縁仏として自治体などに埋葬されるのです。

自殺

人との関わりがまったくない無縁社会は自殺も問題となっています。
例えば、前述した孤独死はすべてが病死というわけではなく自殺者も含まれています。人との関わりがなく孤独に陥ると憂うつとなり、生きる希望を失い自殺をしてしまう人が多いのです。
また、無縁者は高齢者だけではありません。若くして社会との関わりを絶ち、引きこもってしまう場合もある意味無縁者といえます。こうした若者の自殺が後を絶ちません。

無縁社会を減らす対策

無縁社会を減らす対策は自治体や地域でおこなわれていることが多いです。
例えば、自治体をあげて高齢者の雇用を増やして社会参加を促したり、地域では見回りをしたりしています。

さらに、2012年の介護保険法改正の際には、見守りなどの生活支援を国や地方公共団体の責務として規定しました。
しかし、無縁社会を減らす対策にはひとりひとりの意識改革が1番重要となります。多くの人が自ら意思で縁を断ち切っているからです。自治体や地域で対策をとっていても、当の本人が人との関わりを避けていては解決には至りません。

終わりに|無縁社会とは?

人それぞれ人生も違い、考え方も違います。人や社会とのつながりを絶ちたい人もいるでしょう。
しかし、誰もがひとりで孤独に死に、長い間放っておかれるのは嫌ですよね。そうならないためにも必要最小限でも構いませんので、人との関わりを持っておきましょう。

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