「複業家(パラレルワーカー)」中村龍太氏に学ぶ

先進的な副業の事例として、「複業家」として注目されている中村龍太氏の講演をお聞きしたので、その内容をお伝えしたい。

2つの会社の社員+農家という3足の草鞋を履く注目の副業スタイル

中村龍太氏の経歴を簡単に紹介すると、日本電気(現NEC)とマイクロソフトにおける会社員としての30年間弱のキャリアを経たのち、50歳を目前にして株式会社ダンクソフトとサイボウズ株式会社に同時転職し、複業家としてのキャリアを開始。現在はサイボウズとNKアグリの社員に加えて農家という3足の草鞋を履いている。
中村氏は自らのワークスタイルを、”主業についた上で業務時間外に他の仕事をやるという「副業」”でなく、”1つの仕事をすることで2つの会社にとっての成果になるように働く「複業」”と表現している。



企業から見た副業のメリット・デメリット

講演の中で「企業と個人から見た副業の長所短所」を整理して説明して頂いたので、そのまま紹介したい。

<企業から見た副業のメリット>
 ・採用力の強化(短時間でも、どんな場所でも手伝ってもらえる)
 ・イノベーションの創造(社外の知識を取り込む)
 ・生産性の向上(リフレッシュ効果)
 ・マネジメント力の向上(働き方の多様化を促進できる)
 ・個人の自立を促進(ぶら下がり社員を減らす)
 ・高給人材の登用(フルタイム分の給与が不要)

<企業から見た副業のデメリット>
 ・効果が未知数で不安
  時間を減らしても現業の成果が変わらないか?
  情報漏洩や企業ブランドの毀損が起きないか?
 ・評価の難しさ
  シナジーがある副業をどちらで評価するか?
 ・本業との競合
  本業の仕事を副業で受けさせてよいか?
 ・社会保険の負担
  週20時間未満働く会社は負担しないため、負担が減る

個人から見た副業のメリット・デメリット

<個人から見た副業のメリット>
 ・収入を増やす
 ・スキルを高める
 ・人脈を広げる
 ・将来のキャリアプランを豊かにする
 ・リフレッシュできる
 ・モチベーションを維持向上できる
 ・幸福感が高まる(貢献できる喜び)
 ・自分の人生で本当にやりたいことを模索できる

<個人から見た副業のデメリット>
 ・頑張りすぎる
  時間管理に失敗して働き過ぎるなど、健康上の問題が起きるリスクがある
 ・虻蜂とらず
  どちらの業務からも信頼を失うリスクがある

個人からみた副業のコツ、副業の例

別の機会のセミナーでサイボウズ人事部の方の講演資料で、中村氏の講演内容では含まれていなかった内容があったので合わせて紹介したい。

<個人から見た複業のコツ>
 ・一石二鳥
  一つの成果が2つ以上の会社の成果となること
 ・公明正大
  複業のスケジュールや内容を共有すること
 ・複業分野
  できること&やりたいこと&企業が求めることを満たすこと
 ・ITツール
  スムーズに切り替えられること

<副業の例(自営的なものと雇用的なものがある)>
 ・技術誌に寄稿
 ・技術書を執筆
 ・小説を執筆
 ・カレー屋
 ・YouTuber
 ・LINEスタンプを販売
 ・不動産の賃貸
 ・カメラマン
 ・福祉事業会社の顧問
 ・NPOでの勤務
 ・SI企業での勤務
 ・就活支援事業を起業
 ・経営コンサル
 ・テニスコーチ
 ・ノウハウ伝授セミナーの開催
 ・講演内容

編集後記

中村氏の話は具体的かつ実践的だった。氏の個人的なスキル・能力の高さと行動力があったからこそ実現できたことであり、普通の人には難しい面が多々あるが、これを1つの理想像としてスキルと能力の高い人の成功例が増えていって欲しい。
働き方を変えることで、企業にとっても個人にとってもプラスになる組み合わせ(Hybrid)によって、単純な1+1=2以上の付加価値を生み出しているという点で、まさに私の目指す「HYBRID STYLE(ハイブリッドスタイル)」の模範事例の1つであると感じた。