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起業時に固定電話番号が取得できるIP電話サービス一覧

固定電話番号が取得できるIP電話サービス

創業間もない時は、「初期投資もランニングコストも抑えたい」「信用のために固定電話番号は欲しい」「電話はスマホ利用が中心」「働く場所は柔軟に」といったようなニーズを持つ人が多いのではないでしょうか。

この記事では、IP電話とは何か、メリット・デメリット、契約時の確認ポイントについてわかりやすく解説するとともに、創業間もない人のニーズを満たすIP電話サービスを紹介します。ぜひ最後まで読んで、後悔しない電話サービスの活用方法について知ってください。

独立・起業時に便利なIP電話とは?

固定電話は専用のアナログや光回線を使用しますが、IP電話はインターネット回線を利用して音声通信を行う電話システムのことです。

一般的な固定電話の場合、電話番号は市外局番(03、06など)から始まりますが、IP電話の場合は「050」から始まります。そのため、「050IP電話」などと呼ばれたりもします。

LINEやFacebookメッセンジャーなどもIP電話の一種ですが、電話番号がないので、同じアプリで繋がっている同士でしか通話することができないといった違いがあったりします。

IP電話のメリット

固定電話と比較した時に、IP電話には主に以下の3つのメリットがあります。

メリット① 固定電話より安く電話を維持できる

一般的な固定電話に新規加入する場合、初期費用が30,000〜40,000円かかるのに対し、IP電話の場合はほとんどかかりません。また、月々の電話料金も固定電話は2,000円程度かかるのに対し、IP電話の場合は0~500円程度で収まります。

また、IP電話の場合は、提携グループ同士の通話は時間に関係なく無料、一般加入電話への通話料金は全国一律となっているため、遠方との通話が多い人ほどお得です。

メリット② スマホやPCがあれば専用の電話機が不要

固定電話機すら必要ではなく、スマホやPCにアプリをインストールして利用することができるので、ハード端末の初期費用がかかりません。

IP電話のメリット③ 簡易的なビジネスフォン(PBX)の機能を利用できる

IP電話サービス会社によっては、スマートフォンやPC、IP電話機などの複数端末で1つの電話番号を使うことができます。また、それらの端末同士で保留・転送といった機能を利用することができます。

これらの機能は、後ほど紹介する「固定電話番号が使えるIP電話サービス」で利用することができます。

IP電話のデメリット

一方で、IP電話を導入するデメリットもいくつかあります。

デメリット① 市外局番が使えない

IP電話の場合、電話番号は「050」から始まるものに限られます。そのため、市外局番を使うことができません。

ビジネスで電話を利用する場合は、一般的には「050」で始まる電話番号よりも、市外局番で始まる電話番号(0ABJ番号と呼ばれる形式)の方が信頼感を得られるケースが多いので、このデメリットはIP電話の一番の弱点といえるかもしれません。

IP電話のメリットを活かしつつ、0ABJ番号を使えるサービスもありますので、別途ご紹介します。

デメリット② 一部かけられない番号がある

緊急の110番や119番をはじめ、一部の特殊番号に発信することができません。そのため、現在使用している固定電話・携帯電話の解約を考えている場合には注意しましょう。

IP電話契約時の確認ポイント

料金体系・利用環境を確認する

IP電話は固定電話と比べて料金が格安になる場合が多いですが、料金体系をしっかり確認しないと、使い方によってトータルコストが大きく変わってきますので注意が必要です。

例えば、長時間の電話会議などで利用するなら月額料金制、メールやチャットでの連絡が多いのであれば通話時間課金制など、自分の使い方とあった会社やサービスを選択しましょう。

また、スマホでIP電話を利用するには専用のアプリをインストールする必要があるため、動作保証がされているかを確認する必要があります。

通話品質を確認する

IP電話での通話は固定電話よりも音声がざらついていたり、音声が途切れる場合があります。

これは利用しているネット回線が音声の他にも映像やテキストなど、様々なデータを送受信できるため、他のデータ送受信状況に影響するからですが、同時に音声以外のデータが送受信できることは従来の固定電話にないメリットでもあります。

品質が固定電話より劣るとは言っても、よほど通話の品質が重要なビジネスを除けば、現在のIP電話は十分な品質を持っているので、そこまで心配する必要はないでしょう。

050IP電話サービス一覧

電話番号は050から始まるもので構わないという人のためのIP電話サービス会社を紹介します。

着信専用であまり通話しないけど電話番号は欲しいという人はSMARTalk、LaLa Call。比較的電話をよくかけるという人は050plusがお得となっています。

050plus

050plus▼運営サイト: NTTコミュニケーションズ

050plusは、NTTコミュニケーションズが運営するIP電話サービスです。

NTTグループの圧倒的なブランド力を誇り、機能と料金設定のバランスが取れた安定感のあるサービスです。初期費用は無料、月額利用料は330円(税込)となっています。

SMARTalk

SMARTalk▼運営サイト: SMARTalk

SMARTalk(スマートーク)は楽天モバイル株式会社が運営する、スマートフォンで利用できるIP電話サービスです。

初期費用、月額料金ともに無料となっています。通話料金は、固定電話にかけても、スマホにかけても通話料金は30秒/8.8円となっています。050plusと比べると、月額料金は無料で安くなっていますが、通話料は高くなっています。

LaLa Call

LaLa Call▼運営サイト: LaLa Call

LaLa Callは、関西電力系列の大手電気通信事業者のケイ・オプティコムが運営するIP電話サービスです。

大手企業が運営している安心感の高いサービスです。初期費用は無料、月額料金は110円(税込)です。050plusと比べると、月額料金は220円安くなっていますが、通話料はSMARTalkと同じ程度となっており、03plusより少し高い程度です。

固定電話番号が使えるIP電話サービス

IP電話のデメリットの章で触れましたが、IP電話で固定電話番号が使う方法が2通りあります。

一つ目は「ひかり電話を利用する」という方法です。ただ、ひかり電話だと電話機は必要になります。また、スマホでは受けられないので、外出先から固定電話で発着信するといったことはできません。独立まもない小規模な事業者にとってのIP電話のメリットを活かし切れているとは言い難いものがあります。

既に光電話を利用しているようであれば、「ボイスワープ」などの転送電話サービスを申し込むことで、外出先でも携帯電話で着信することはできます。固定電話への着信をあらかじめ登録した電話番号のスマートフォンに転送するのです。しかし、転送電話サービスは、初期工事費・月額利用料金が必要であったり、転送元の固定電話から転送先のスマートフォンまでの通話料金の負担が発生したりといったコスト負担が生じてしまします。

二つ目は、「スマホで固定電話番号を使えるIP電話サービスを利用する」方法です。「社員が少なく」「固定電話番号は欲しい」「スマホを中心に利用する」といった電話の使い方が当てはまる場合は、このサービスを利用することが最適でしょう。

それでは、そうしたサービスを提供している会社をご紹介します。

じむでん

じむでん▼運営サイト: じむでん

コンサルティング、NI/SI、ソフトウェア開発、システム運用、ハードウェアの開発に至るまで、ネットワーク技術に強みを持つ株式会社まほろば工房が運営している、IP電話サービスです。

03局番エリアに拠点を構える事業者(個人も可)で、インターネット環境さえあれば、「じむでん」に申し込むことで、03の市外局番で始まる電話番号を取得して、スマホで使うことができます。1番号で3台まで登録可能となっており、保留・転送機能もついています。同社のクラウドPBXサービスを利用すれば、4台目以降まで柔軟に拡張していくことも可能です。

03plus

03plus▼運営サイト: 03plus

株式会社グラントンが提供するIP電話サービス。サービスエリアは関東、関西、福岡などの人口密集地域を中心に、全国12都道府県の46局番(03番号、06番号、072番号など)で利用することが可能となっています。

クラコール

クラコール▼運営サイト: クラコール

株式会社三通テレコムサービスが提供するIP電話サービス。クラコールPBXで、03固定電話番号を取得してスマホで利用することができます。

おわりに|独立・起業時におすすめの格安IP電話サービス一覧

会社で利用する代表電話番号は慎重に選ぶことが大切です。しかし、独立・起業したての頃は、コワーキングオフィスやシェアオフィスに入居したり、オフィスを移転したりといったことが起こる可能性は高いので、状況の変化に対応できる電話のあり方を模索する必要があります。

そして、事業が軌道に乗ってくれば、従業員の増加に対応したり、リモートワークのような柔軟な働き方に対応できる電話システムを導入する必要も出てきます。

そういった意味からも、創業当初は、固定電話番号を取得できるクラウド型のIP電話サービスが最適です。