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副業に最適なサイト売買(エムアンドエー)の成功方法

サイトM&Aのイメージ画像

リスクを抑えてビジネスを立ち上げるための方法として、スモールビジネスのM&Aが注目されています

なかでも、会社勤めを続けながら副業としてスモールスタートするための方法として、サイト売買(M&A)市場が成長しています。

ここでは、サイトの買収を検討している人のために、複数のサイトM&A経験者である筆者が、進め方と注意点を丁寧に解説します。

スモールビジネスM&Aとは?

例えば飲食店を開業したいという独立希望者が、イチから店を借りて内装や厨房設備等を購入すると2000〜3000万円の初期投資資金がかかるような場合でも、既に営業している飲食店の営業権を現在のオーナーから買取る方法なら、その半額以下の独立資金で自分の店を持てるようになります。

M&A先進国のアメリカでは不動産を売買するような感覚で小規模の会社や事業が売買されています。

一方、これまでの日本では中小企業のM&Aというのはあまり一般的ではありませんでしたが、経営者の高齢化に伴う引退・廃業の増加が社会問題化し、働き手も『人生100年時代』を生き抜くために、定年してから年金を支給されるまでの間に収入を得られるような仕事をどうするかという問題がクローズアップされており、この2つの問題の解決方法としてスモールビジネスのM&Aが注目されています。

買い手にとってのM&Aのメリットは、ビジネスをゼロから育てていく時間を省いて、有望事業のノウハウや顧客などを取り込めることにあります。

サラリーマン経験が長く、新しいことを0から立ち上げるのは苦手でも、改善を重ねて事業を安定的に成長させることが得意な人には向いている手段と言えるでしょう。

アメリカのスモールビジネスM&A動向

アメリカではスモールビジネスを売買するための仲介市場が成り立っています。

脱サラをする人が高齢で引退する経営者などから事業を買い取って起業するというケースが多々あります。

「BusinessBroker」といった仲介サイトでは、売りに出ているスモールビジネス案件が数万件規模で登録されています。主な買い手が個人となるため、6割は売値が25万ドル(約2500万円)以下の規模感となっています。

具体的な売買交渉や契約は「ビジネスブローカー」と呼ばれる、スモールビジネス売買の専門家が代行しています。彼らの報酬は売買額の8~12%が相場となっています。

買い手が付きやすいスモールビジネスは、飲食店・コンビニ・ハウスクリーニングのサービスなど、高度な技術が無くても仕事を引き継ぎやすい事業で、かつ取得金額が20万ドル(約2000万円)以内の案件が個人の起業者から人気です。

一方で、製造業は売値が高くなってしまいがちなことから買い手が限られます。

サイトM&Aとは?メリットとデメリット

スモールビジネスは大雑把に”リアルビジネス”と”ネットビジネス”の2タイプに分類されますが、このうち、”ネットビジネス”を売買することをサイトM&Aと呼びます。

どのようなサイトが売りに出ているかサイト売却案件の一覧を見てみるとイメージがわくでしょう。

“リアルビジネス”は店舗型とサービス型に分かれますが、店舗型の場合は建物や設備が必要なため買収金額も大きくなります。一方で、サービス型の場合は運営する人によって利益が大きく左右されるため、買収した後に想定通りの利益を出せるかどうかが不透明になりがちです。

サイトM&Aは”リアルビジネスのサービス型”に近いとも言えますが、サイトを運営するビジネスノウハウは一般情報としてかなり流通しているため、運営の難易度がそれほど高くないのが特徴です。

また、サイトM&Aは、案件数も多く、金額も小さなものから大きなものまで幅広く存在していることから売り手と買い手のマッチングが容易なため、仲介手数料も低い傾向にあります。

一方で、難易度が低い分、参入障壁が低くなるため、競争も激しくなります。分析して成功事例の真似をするため、似たようなサイトが増えているのも事実です。

また、リスクとしてGoogleなどの検索サイトやtwitterなどのSNSサイトといったプラットフォーマーの運営方針やアルゴリズムの変更によってサイトの収益が大きく変動する可能性があることが挙げられます。

【サイトM&Aのメリット】

  • 買収案件の数が多く選択肢が広い
  • 小さな金額から始められる
  • 買収後の運営難易度が低い

【サイトM&Aのデメリット】

  • サイト運営の競争が激しい
  • プラットフォーマーの方針変更に収益が左右される

サイトM&A仲介会社

ここでは国内の主なM&Aを仲介サイトを紹介します。

この5サイトを抑えておけば日本中で売りに出ている(オープンな)案件の大部分を網羅できていると考えて良いでしょう。

ラッコM&A

ラッコM&Aのサイト画像▼運営サイト: ラッコM&A

UREBA

UREBAのサイト画像▼運営サイト: UREBA

サイトキャッチャー

サイトキャッチャーのサイトイメージ▼運営サイト: サイトキャッチャー

サイトストック

サイトストックのサイトイメージ▼運営サイト: サイトストック

サイトレード

サイトレードのサイトイメージ▼運営サイト: サイトレード

サイトM&Aの金額相場観

サイトの売買価格を決める要素は多々ありますが、一般論的な参考目安を紹介します。

売りに出ているネットビジネスのタイプとしては、主に「情報系(アフィリエイトやアドセンスで収入を得るブログサイト)」と「物販系(通販サイト)」の2タイプがあります。

一般的に前者は手間がそれほどかからず収益性は高いが、その一方でGoogleの方針次第でいきなり収入がなくなるような不安定さがあります。

後者は運営に手間がかかったり、在庫を抱えたりする必要がある一方で、前者のような不安定さはありません。

一般的に前者は月間営業利益(収入-運営コスト)の20ヶ月〜30ヶ月分程度、後者は月間営業利益の30ヶ月〜40ヶ月程度が売買相場といって良いでしょう。

前者は「いつまで収入が続くか分からないので投資金額(購入金額)を1.5年以内に回収」、後者は「運営の手間がかかるので、自分の作業コストや外注費用を考慮する」というのがポイントになります。

【情報系サイト】営業利益の20〜30ヶ月(1.5〜2.5年分)

【物販系サイト】営業利益の30〜40ヶ月(2.5〜3.5年分)

ただし、金額は交渉と入札によって決まりますので、買い手はれぞれ、「自分がとても興味のある分野」といった”想い”の面や、「自分が既に手がけているビジネスと相乗効果(シナジー)が生まれたり、自分が得意な分野なので売上を伸ばせる可能性が高い」といった”算盤”の面から、それぞれにとっての価値を乗せて行くことになります

仲介会社に支払う手数料は各サイトによって異なるので、それぞれのサイトで最新情報を確認するようにしてください。だいたい売買金額の金額の3%程度が目安になります(最低手数料は税別50,000円程度〜)。

サイトM&Aの進め方と注意点

私は上記の仲介サイトを利用してこれまで3回のM&Aをした経験がありますが、その経験も踏まえて、進め方と注意点を示したいと思います。

1.サイトに登録して情報を収集する

まずはそれぞれのサイトに登録(無料)して、気になった案件に対して質問をしながら慣れていくのが良いでしょう。

最初に興味があることを意思表示する際に購入金額を示す必要がありますが、この金額で決定という訳ではないので、基本的には売り手の希望する金額を提示しておけば良いでしょう。

間違っても慣れないうちにいきなり本当に買ってしまってしまってはいけません。

基本的に売り手は高く売るために都合の悪い情報を伏せているものなので、どんな情報を確認すればそうした点を見抜けるか、といったことが分かるようになるまでは安易に買ってはいけません。

本当に買う気がある時には、競争相手(他の買い手)を意識して、よりリアルな金額を最初から提示する必要があります(そうしないと交渉順位を後回しにされたり、そもそも交渉すら断られてしまうケースがあります。

2.売り手から詳細な情報を取り寄せる

情報収集を繰り返して慣れてきた後で、本格的に買うための交渉段階に入りますが、この時は「誤魔化しのきかない情報をどれだけ入手できるか」が成功のポイントになります。

アクセス数などの統計情報や売上情報等は、Googleのサイトの情報や、銀行の入金明細など、証拠がきちんと把握できる資料を要求します。この時に遠慮してはいけません。

虎の子のお金を出すのは買い手ですので後悔しないためには、この段階で心を鬼にしてきちんと要求を通すことが肝心です。

「データが無い(取得していない、紛失した、等)」とか、理由をつけて提出を拒んだりするような売り手は、その行為自体が怪しいので購入を見送った方が良いでしょう。

3.実際にサイトを購入する

売買条件が決まったら、それを元に契約書を作成・調印し、その後にサイトの中身の移転作業を行い、移転が終了したら売買代金を支払う、というのが一般的な流れになります。

しかし、契約書を作成するのは大変ですし、売り手・買い手ともに、相手がきちんと義務を履行するかどうか不安になります。

仲介会社によっては、契約書を代わりに作成してくれたり、「エスクローサービス」といって、売買代金を買い手から預かっておいて、サイトの移転がきちんと行われたのを確認した後で売り手に支払いを行ってくれます。

これによって、売り手・買い手双方が安心して取引できます。

終わりに

如何でしたか?「M&A(買収)」という言葉を聞くとそれだけで、専門的で近寄り難いイメージがあるかもしれません。

しかし、これまでの日本経済を支えてきたオーナー経営者の多くが引退の時期を迎えており、このままでは「大廃業時代」に突入してしまうことから、国や地方自治体といった公的機関が旗頭になって、M&Aを利用して次の世代に経営を引き継がせたいと考えていることからも、M&Aはますます一般的になっていくでしょう。

それによって売り案件は増える一方だと考えられます。

スモールビジネスで起業したい人にとっては、リスクを抑えて成功確率を高めることができるという点で、M&Aを利用しない手はないと言えるほどの状況になってきています。