『フリーランス実態調査2016年度版を発表!日本のフリーランス事情(THE LANCER)』の発表内容によると、2016年の日本のフリーランス人口は1064万人に達し、働いている人の5人に1人くらいが(副業も含めて)フリーランスで稼いだということだ。
目次
フリーランス人口は1000万人を突破
2015年は913万人だったが2016年は1000万人の大台に乗り、前年比較151万人(17%)の増加となっている。
恐らくはIT化の進展によって、”ITに関連する産業に属する人口の増加”と”ICTを使って時間と場所にとらわれずに働きやすくなった”ことが大きな要因になっているのではないかと推察される。
フリーランスの4つのタイプ
同サイトを見ると、フリーランスを以下の4タイプに分けて整理している。一口にフリーランスといっても、20〜30代の若年層を中心とした副業的なタイプと40歳以上の独立自営的なタイプとでは、その働き方は大きく異なるように見える。
副業系すきまワーカー(常時雇用がベース。副業でフリーランス)
- 年齢:20、30代が多め(56%)
- フリーランス年収:15万円以下(81%)が中心
- 年収全体に占めるフリーランス収入の割合(16%)
複業系パラレルワーカー(雇用形態に関係なく複数の企業の仕事をこなすフリーランス)
- 年齢:30、40代が多め(51%)
- フリーランス年収:15万円以下(51%)と51〜200万円(30%)が中心
- 年収全体に占めるフリーランス収入の割合(36%)
自由業系フリーワーカー(特定の勤務先はないが独立したプロフェッショナル)
- 年齢:40以上が中心(70%)なかでも60以上が多め(32%)
- フリーランス年収:15万円以下(50%)と51〜200万円(26%)が中心
- 年収全体に占めるフリーランス収入の割合(55%)
自営業系独立オーナー(個人事業主または法人経営者で一人で経営しているオーナー)
- 年齢:40以上が中心(82%)なかでも50代が多め(31%)
- フリーランス年収:200万円以上(59%)が中心
- 年収全体に占めるフリーランス収入の割合(76%)
フリーランスの「障壁ワースト3」
また、フリーランスをやっていく上での「障壁」に関しては以下のような順位となっており、1位と2位は類似の主旨であり、会社経営と似たような悩みを抱えることになることがわかる。
- 1位:収入が安定しない(2位と比べてダブルスコア)
- 2位:仕事が見つからない
- 3位:社会的信用が得難い
フリーランスと正社員の未来
働き方改革の進展につれてテレワークの普及率が高まってくると、仕事内容や成果が明確化されるようになってくるので、正社員もフリーランスもやっている仕事内容は同じなのにフリーランスの方が総合的にみてコストが安いということが明白になっていくだろう。
そうなると、厳しい市場競争にさらされているフリーランサーに頼んだ方がメリットが出ると考える企業が増えていくことになる。同一労働同一賃金の流れもあり、現在は雇用によって守られている正社員とフリーランスの仕事の奪い合いが進むに違いない。
フリーランスは仕事をこなしつつ、営業や経理などもしないといけなかったりして大変な面が多いが、10年後には、現在の正社員の人達との境遇が逆転している可能性も十分に考えられる。
いづれにしても、実力がモノを言う時代になっていくことは明らかで、組織にいても実力を向上させるための努力が欠かせないということだけは確かだ。