ワーク・ライフスタイル

21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由

当サイト名でも使われている「ハイブリッド」というキーワードが使われているため興味を持って読んでみました。

ビジネスパーソンやエンジニアは「デザイン思考」を学ぶことで、差別化した価値を作り出すために必要な複数の思考スタイルができる「ハイブリッド人材」になることができると本書では述べられています。

デザイン思考とは?

論理と分析が得意な左脳型マーケターであった著者(佐宗邦威氏)は「違いをつくりだす」ことができる右脳型マーケターの存在に触れて、既存のビジネスを回すだけでなく市場のルールを変えてしまえるような一流のマーケターになりたいと思うようになり、模索する中で「デザイン思考」と出会い、「デザイン思考」の老舗であるイリノイ工科大学デザインスクールで学んだ。

そこで、今までの延長線上にはないまったく新しい事業、商品やサービス、プロセス等を創るやり方として「デザイン思考」を学んだという。

ハイブリッド人材とは? ~左脳と右脳の両方を活用し、複数の思考スタイルができる人材~

左脳思考の人がデザイン思考を学ぶことの特に大きな意義の1つは、人とは違う切り口を出すことができる強力な武器として、左脳右脳ハイブリッド思考を実践できることだと佐宗氏は考えている。

そして、本書の中で、ハイブリッド思考を成り立たせている要素を「インプットの質」「発想のジャンプ」「アウトプットの質」という3つの変数に分解した上で、それぞれどう進めていくかについて詳述している。

T字型からH字型人材へ

本書で紹介されている、英国の大手デザインファーム、シーモアパウエルのシニアデザイナー池田武央氏が提言しているという「H字型人材」という言葉に興味を持った。

デザイナー側からの越境者の役割として「T字型人材」から「H字型人材」への変化があり、H字型人材とは強い専門性が1つあり、他の人の専門性と繋ぐ横棒を持ち、ほかの人とつながってHになるという「人と繋がりやすい人材像」とのこと。

1人の人間が専門を1つに絞ってしまうことで、異質な知識の融合によって起こるイノベーションの機会が減ってしまったり、視野が狭くなってしまったりすることを避けるために複数の専門領域を持つことの大切さについては考えてきたが、「他の人の専門性と繋ぐ”横棒”を持って他の人とつながってHになる」という発想は持ち合わせていなかったので新鮮だった。

終わりに

これまで重視されてきた左脳的な「論理思考」はAIの発達によって置き換えが進み、右脳的な能力である「デザイン思考」の重要度がますます高まっていくだろう。まさに「競争」から「共創」の時代への転換が進んでいる。私も左脳人間なので、時代に置いていかれないように右脳的な能力を高めるための訓練が必要だと改めて感じた。

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