『脱東京(本田直之)』を読んで”地方移住”について考えてみた

ハワイと日本の間でデュアルライフ(二地域居住)をしている本田直之氏による”地域移住”に関する本です。ローカルでクリエイティブな暮らし・働き方をする人や企業、自治体31名に対するインタビューを基に、これから地方で活躍するために必要なスキルについて書かれています。

これまでとは違う”新しい移住”の動きが出てきている

東京への人口の一極集中の動きは大きなトレンドとなっていますが、筆者によると、近年、東京から他の地域に移住する人が増えてきたように実感しているそうです。

しかも、これまでの、リタイアした人に多い「田舎暮らし」型ではなく、ビジネスの第一線で活躍していた人たちが、自分のライフスタイルを実現するために移住し始めたといいます。

インターネット環境の進化やLCCの台頭による移動コストの減少といった「テクノロジーの進化」が我々の生活スタイルに大きな影響を与えた結果、”新しい移住”という動きが出てきたと指摘しています。



”あたらしい移住”のメリット

筆者は”あたらしい移住”のメリットを8個提示し、それぞれに理由を詳述しています。

可処分所得や時間が増えることは、読んでいてとても理解しやすいと思います。また、都会と比べて少ない投資でおもしろい挑戦ができるという点も、特にインターネット等を活用したビジネスを展開する場合等は、利点が活かしやすいかもしれないと感じました。

それでも東京から地方に移住したいと思った時、多くの人は「仕事があるか。生活していけるか。」という不安がネックになると思います。

筆者は自身の経験や本書のインタビュー対象者の話を基に、移住によって最初はマイナスがでるものの、結果としてはプラスに転換されていくと主張しています。しかし、そのためには「能力と思考」が必要であるとも言っています(後述)。

やはり、魅力的なメリットはありますが、だからといって安易に移住するのは避けた方が良いことがわかります。

あたらしい移住の8つのメリット

01.自分のブランドが強くなる
02.可処分所得が増える
03.可処分時間が増える
04.仕事と遊びの垣根がなくなる
05.少ない投資額でおもしろいチャレンジができる
06.ストレスの伝染がない
07.ライフスタイル・バリューの高い場所に住める
08.あたらしい豊かさを得られる

ライフスタイル・バリューの高い場所を選ぶことが大事


”新しい移住”で成功するためには、自分にとって理想の生き方を実現できる場所を選ぶ必要があるといいます。
それを可能にする町のことを「ライフスタイル・バリューの高い場所」と言い、そうした移住先を選ぶための18個のクライテリア(判定基準)を挙げています。

移住先を選ぶための18のクライテリア

01.自分のライフスタイルを実現できる
02.物価が安い
03.気候がいい
04.受け入れてくれる土壌がある
05.人がいい
06.アクセスがいい
07.インターネット環境がある
08.自然がある
09.コンパクトシティ
10.歴史が守られている
11.文化の魅力
12.食がいい
13.仕事をおこしやすい
14.若者を登用している
15.医療面の安心
16.教育レベル
17.治安がいい
18.デザインを大切にしている

”あたらしい移住”で成功するために必要なコト

また、筆者は”新しい移住”のために必要なスキルを13個の能力と9個の思考とに分けて紹介しています。

移住に成功するために必要なこと

<能力>

01.発信力がある
02.価値の交換ができる
03.クリエイティブセンスがある
04.モバイル・ポータブルな仕事ができる
05.ナイスである
06.自分でいろいろなモノや価値を創れる
07.人を巻き込める
08.地域の良さを翻訳・編集できる
09.何足ものわらじを履ける
10.自分で考える
11.依存しない
12.常に新しいチャレンジができる
13.東京や海外での修業経験

<思考>

01.ライフスタイルがある
02.自分を持っている
03.常識に縛られない
04.生活水準ではなく、生活の質を上げることに興味がある
05.偶然を楽しめる
06.否定から入らない
07.お金よりも経験・体験を重要視する
08.二毛作の発想ができる
09.夫婦ともに自立している

おわりに

給与所得が上がらず、税金や社会保険のコストが上がっていくような世の中では、所得から生活に必要なコストを差し引いた可処分所得は地方に住んでいる方が相対的に有利になることは間違いないでしょう。

また、人それぞれですが、”ライフスタイル”の優先順位を高めた時に、地域へ移住した方が良いというケースは多くなっていくと思います。

本書は、”意識が高く・稼ぐ力もある人”に共感されることが多いとは思いますが、これからの時代を先取りしていることは間違いないでしょう。

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