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知らなきゃ損!無料のオンライン教育「MOOCs(ムークス)」

急激に進む高齢化や生産労働人口の減少、年金受給開始年齢の引き上げ等から、現在の50歳以下の現役世代は70歳まで働くことが前提になるといわれており、職業能力を向上させ続けるためのリカレント教育の必要性が高まっています。
そのようななか、注目されている無料のオンライン教育システムであるMOOCsについて紹介します。

MOOCs(ムークス)とは?

“Massive Open Online Courses”の略語で、インターネット上で誰もが無料で受講できる大規模な開かれた講義のことを意味しています。

主にアメリカの大学で運営されており、基本的に無料で参加することができます。ビデオ講義を受けるだけでなく、知識確認のための試験問題などを受けることもできます。
参加者のコミュニティーも用意されており、コース運営側にも有益なフィードバックがかえるため講義運営の効率も向上しています。

「関連技術の進歩」と「参加者の増加による運営コミュニケーションの発達」という2つの要因によって急激に発展しています。

代表的なプラットフォームとしては「Coursera(コーセラ)」や「edX(エデックス)」などがあります。

日本版のムークス「JMOOC」

日本ではJMOOC(一般社団法人日本オープンオンライン教育推進協議会)が運営・管理するポータルサイトのもとで、JMOOC公認の複数のポータルサイト(「Fisdom(富士通)」「gacco(ドコモgacco)」「OpenLearning,Japan(ネットラーニング)」「OUJ MOOC(放送大学)」等が講義を提供しています。

1ヶ月のコースの場合、1週間で見るべき講義(各10分程度の動画)が5本から10本公開され、見終わると確認のための小テストが提示されます。1週間の学習が終わると課題が提示されますので、提出期限内に提出します。

これを4週繰り返し、最後に総合課題を提出して完了という流れになります。週毎の課題と総合課題の全体評価が修了条件を満たしていたら修了証がもらえます。有料の対面授業と組み合わせているコースもあります。

私も最近まで存在を知りませんでしたが、JMOOCのサイトでは「累計340講座・100万人以上が受講」と謳っていますので、既に多くの人達が利用しているようです。

学習はお金をかければ良いというものではありませんので、皆さんも将来に向けて一度利用してみてはどうでしょうか?

サラリーマン(男性)の年収ピークは50代前半

急激に進む高齢化や生産労働人口の減少、年金受給開始年齢の引き上げ等から、現在の50歳以下の現役世代は70歳まで働くことが前提になると思われます。

男性の平均給与を年齢階層別にみると、上昇カーブからみたサラリーマンの平均給与のピークは50〜55歳未満の階層(670万円)でその後は下降線を辿っていきます。女性では年齢による差は顕著ではありません。就業形態は60代からは非正規雇用の割合が高くなり、元の勤務先から嘱託社員として再雇用されるか、パートやアルバイトの仕事を探すことが主流になっており、月給ベースでは20万円以下が平均値となっています。

<出典>平成27年分「民間給与実態統計調査」国税庁

大学で身につけた知識は10年と保たない時代に

就職から定年まで1社で勤め上げる「終身雇用」の概念は既に時代遅れになりつつありますが、一方で、40歳を過ぎてからの転職は現実的に難しいのが現実です。

そのような中で、70歳以降まで働かなければならない時代にどのようにキャリアを構築していけば良いのかとなると、見当もつかないというのが正直なところではないでしょうか?

こうした状況は他の先進国でも共通していますが、米国では大学や大学院で学び直す人達が急増しています。定年制度はありませんが、それでもサラリーマンの年収のピークは50代までと言われており、大学で新たな学位を取ることで、社内での昇進や転職に結び付けています。
1987年から2007年までの間に、大学院で勉強する40歳以上の学生は2倍以上になっているとのことです。

とはいえ、一般的な社会人にとって、大学院に行くのは経済的にも時間的にも厳しいと思いますし、費用対効果が合うのかも定かではありません。

そのような一般人にとって、アメリカ発の「MOOCs(ムークス)」というものが発展してきており、一般人の「学び直し」の助けになるものとして注目されています。