遠くない未来の個人は、本や洋服といった「消耗品」から車や不動産といった「資産」に至るまで、モノを買う時にはシェアサービスを視野に入れつつ判断するようになるでしょう。
シェアリング・リテラシーとは?
例えば「利用」が目的であれば、借りたり、中古品を安く買って利用した後に再び販売することで、実質的に借りるのと同じ経済効果が得られます。また「所有」が目的であれば、自分が利用しない時に貸し出して収入を得ることで、実質的にモノを安く購入するのと同じ経済効果を得ることができます。
それと同様に、時間に関しても「空いた時間」や「ついで」をシェアすることで、提供者側と利用者側が相互に時間の有効利用ができます。
これからの日本は高齢化・人口減少によって経済的には厳しい時代を迎えますが、「シェア」を上手く活用することで、実質的な可処分所得と可処分時間を増やすことができるようになります。
そのためにも、新しいシェアサービスを積極的に試して、提供者側・利用者側の両方のノウハウを身につけることで、『シェアリング・リテラシー(シェアを利用する能力)』を高めていきましょう。
「空間」「移動」「モノ」「お金」の4つのカテゴリーに分けて、シェアサービスをまとめています。
空間をシェアする
使ってない場所をシェアして有効活用するサービスです。シェアリングエコノミーの世界的な浸透の端緒となった「AirBnB(エアービーアンドビー)」は、まさに個人が保有する物件の空きスペースを活用する”空間シェアリング”の代表格です。
今では、部屋を宿泊だけでなく、会議室や写真撮影用途などで貸し出したり、駐車場を使っていない時間帯だけ貸し出したりすることができるシェアサービスがどんどん出てきています。
モノオク
▼運営サイト: モノオク
収納・保管に困る荷物を預けたい人と、空きスペースを物置きとして提供したい人をマッチングする個人間の物置きシェアリングサービス。
2018年4月にサービスを開始し、2020年5月時点の登録ユーザー数は17,000人超。収納・保管に悩む、荷物を手軽に預けられるライフスタイルを提案しています。
収納シェア
▼運営サイト: 収納シェア
LIFULLトランクルームが運営する、空きスペースと荷物を預けたい人を繋ぐ、収納シェアリングサービス。
日本最大級のトランクルーム検索サイト「LIFULLトランクルーム」との集客面での相乗効果が見込めるほか、貸し出しスペースに置かれた荷物は保証サービスの対象となるといったメリットもあります。
ecbocloak(エクボクローク)
▼運営サイト: エクボクローク
「荷物を預けたい人」と「荷物を預かるスペースを持つお店」をつなぐシェアリングサービス。
コインロッカーの代わりに、オンライン上で預け場所の事前予約ができ、様々な業態の店舗の空きスペースに荷物を預けることができます(カフェ・ゲストハウス・コワーキングスペース・シェアオフィス・カラオケ店・漫画喫茶・着物レンタル店・神社・東京駅構内など)。
コインロッカーに入らない大型の荷物も、「ecbo cloak」でなら預かり可能です。
コインスペース
▼運営サイト: コインスペース
全席電源・wifi完備。10分からの時間料金制。リアルタイムで空席情報を表示。座席予約も可能な、カフェ代わりの新しいスペースレンタル。
スペイシー
▼運営サイト: スペイシー
会議の会議室をシェアリングすることで、通常1時間3000円かかる貸し会議室を、1時間500円という手軽に使える価格での提供を実現。
スペースマーケット
▼運営サイト: スペースマーケット
貸し会議室から民泊まで、約6000ものユニークなスペースの予約から支払いまでワンストップで簡単に行えるサービス。
軒先ビジネス
▼運営サイト: 軒先ビジネス
2008年にサービスを開始したシェアリングサービスの先駆け的な会社。登録すベース数は7000件以上、登録利用者数は10,000件以上となっています。
スペなび
▼運営サイト: スペなび
レンタルスペースを借りたい人と貸したい人をマッチングする検索サイトです。レンタルスペースの掲載数は3500件を突破したとのことです。
インスタベース
▼運営サイト: インスタベース
セミナーや説明会、会議、パーティーや料理教室等の様々な用途でレンタルスペースを貸したいオーナーの収益化を支援するサービス。全国2100件以上の登録があります。
特P(とくぴー)
▼運営サイト: 特P
カーシェアの株式会社アース・カーが運営する駐車場予約サービス。外出先近くの空いている駐車場やコインパーキングを検索・予約できます。
駐車場オーナーは、自宅の使用していないスペースや駐車場をシェアして副収入を得ることが可能です。
akippa
▼運営サイト: akippa
全国の未解約月極駐車場やマンションの空き駐車場等を15分単位で利用できるサービス。スマホで事前予約・オンライン決済ができ、当日利用もスムーズ。
軒先パーキング
▼運営サイト: 軒先パーキング
駐車場シェアリングサービス。JAFと提携しており、JAF会員約1800万人が会員割引で軒先パーキングの駐車場を利用することができる。
toppi!(トッピ)
▼運営サイト: toppi!(トッピ)
全国1万カ所以上、約20万台の駐車場を管理する「三井のリパーク」の時間貸し・月極駐車場の一部を転用。都心や観光地など人気のエリアでのスペース確保に強み。
スマートパーキング
▼運営サイト: スマートパーキング
空き駐車場シェアリングサービス。東海地方や関東地方の不動産管理会社と提携して賃貸物件の空き駐車場にスマートパーキングの設置を進めている。
トメレタ
▼運営サイト: トメレタ
空き駐車場シェアリングサービス。運営会社の母体は20年の駐車場運営の実績を持ち、全国約1100カ所、約7500台のコインパーキングの運営会社を傘下に持つ。
Vrbo
▼運営サイト: Vrbo
エクスペディアグループの世界最大級バケーションレンタルサイト。ホストが登録する物件情報、利用者のレビューを参考に滞在先を決め、予約できる。
STAY JAPAN
▼運営サイト: STAY JAPAN
日本初の公認民泊サービス。日本の伝統が感じられる古民家から農家・漁師のお宅に泊まる農漁業体験民宿、観光やビジネスに便利な都市部の民泊まで。
移動をシェアする
「移動のシェア」は米国発の「UBER」に代表される、シェアリングエコノミーが爆発的に広がるきっかけになったシェアリングモデルです。カーシェアが進むことで2030年までに移動距離の37%が新しい移動手段に置き換わると予想されています。遠い将来には自動運転技術が発達して、必要な時に必要なだけ利用する移動サービスが世界を覆い尽くすことになるかもしれませんね。
notteco
▼運営サイト: notteco
日本最大級の長距離ライドシェアサービス。同じ方面に移動したい同乗者をマッチング。費用は同乗者同士で負担、本人確認も徹底していて安全。
Anyca
▼運営サイト: Anyca
個人間で多種多様なクルマをシェアできるカーシェアリングサービス。1日自動車保険への自動加入・ユーザー登録情報の確認により安心して使える。
CafoRe(カフォレ)
▼運営サイト: CafoRe
クルマを「使わない間はシェアしてあげる人」「必要な時だけ借りたい人」が出会う場所を提供するカーシェアリングサイト。
Greenpot
▼運営サイト: Greenpot
車を貸したい人と借りたい人の為の個人間カーシェアリングサイト。
COGICOGI SMART!
▼運営サイト: COGICOGI SMART!
スマートフォンのアプリで簡単レンタルのシェアサイクル。東京エリアでは行政からの補助金なしでの黒字化を実現、今後は世界展開予定。
ドコモ・バイクシェア
▼運営サイト: ドコモ・バイクシェア
自転車とモバイルを融合させた環境に配慮したサイクルシェアリングシステムを提供。地球にやさしいソーシャルインフラを実現。
モノをシェアする
「せっかく洋服を買ってもほとんど着る機会が無くてタンスに眠っている」といったことはよくあります。子供服なども結構な値段がする割にはすぐに身体に合わなくなってしまって、兄弟に譲ったり近所の方に譲ったりすることは当たり前のように行われています。所有すること自体も心を満たしてくれますが、そのような無駄を省いて、必要な時に必要なモノを所有(利用)するという発想が今後は一般的になっていくでしょう。
Laxus
▼運営サイト: Laxus
月額6800円で、憧れのハンドバッグが使い放題!1万6000種類を超える在庫から好きなバッグを選べば、20秒で予約完了、往復送料も無料!
airCloset
▼運営サイト: airCloset
日本最大級の月額制ファッションレンタルサービス。プロのスタイリストによるパーソナルスタイリングを、送料・クリーニング不要で何度でも体験可能。
トイサブ!
▼運営サイト: トイサブ!
0〜3歳児を対象とした上質な知育玩具・おもちゃのレンタルサービス。1480〜3980円の月額制で気に入ったら買取りも可能。
文部科学省ナノテクノロジープラットフォーム
▼運営サイト: ナノテクノロジープラットフォーム
全国26カ所の大学・研究機関が所有する先端研究設備・機器を共用し、企業・大学等の技術課題を解決。装置利用に関する専門知識やノウハウも提供。
お金をシェアする
これまでは、お金は銀行から借りたり、ベンチャーキャピタルをはじめとした機関投資家から出資を募ったりすることが当たり前で、大変なことでした。シェアリングエコノミーの進展によって、「アイデアはあるけどお金が足りない」という個人と「面白いアイデアにお金を出して応援したい(しかも少額で)」という個人が気楽に繋がることができるようになってきました。
Makuake(マクアケ)
▼運営サイト: Makuake
日本最大の調達金額規模を誇る購入型クラウドファンディングサイト。新製品・新店舗・新コンテンツなど様々なジャンルが活躍中。
FARM Sports Funding
▼運営サイト: FARM Sports Funding
アスリートを支援するスポーツ特化型のクラウドファンディング。アスリートの成長をみんなで応援し、スポーツの新しい楽しみ方を提供。
CAMPFIRE
▼運営サイト: CAMPFIRE
日本最大級のクラウドファンディング・プラットフォーム。プロジェクト掲載数・PV数も国内No.1。個人や学生も利用している。
まとめ
如何でしたか?これまでの「大量生産・大量消費(所有・廃棄)」から、「資源を有効活用(必要なモノを必要な時だけ利用)」といった経済モデルへのシフトが凄いスピードで進んでいます。個人もやる気とアイデア次第で、企業への”所属”から解き放たれる時代が来るのもそう遠く無いかもしれませんね。