ワーク・ライフスタイル

銀行でも週休3日制導入企業現る。あと3年が先行者メリットの期限か?

2017年9月27日付の日経新聞朝刊で、福島県の東邦銀行が10月から希望する行員に週休3日制による勤務を可能にするという記事が掲載されました。

おそらく銀行での週休3日制導入は全国初ではないでしょうか。

*2020年9月7日、メガバンクのみずほ銀行を含むみずほフィナンシャルグループが週休3-4日制の導入を発表しました。

みずほフィナンシャルグループが週休3~4日制を導入みずほフィナンシャルグループが、2020年10月6日、希望する社員を対象に、週休3日や週休4日の働き方を認める制度を12月から導入する方...

恐らく銀行初となる「週休3日制」の導入

子育てや介護など、個人の生活環境や事情に合わせ様々な働き方を認めるなど、行員の多様なライフスタイルに対応することを目的としています。また、家族の生活支援にとどまらずボランティアや自己啓発なども利用を認めるとのことです。

週休3日制については、働き方改革のなかで最近注目を集めつつあり、当ブログでは以前、週休3日制度を既に導入している大手企業の情報をまとめさせて掲載させて頂きました。

週休3日制導入の大手企業一覧【正社員版】週休3日制によって、従業員は空いた時間をスキルアップや副業に使えるというメリットがあります。企業にとっては、柔軟な働き方ができる制度を整...

NHKクローズアップ現代でも「週休3日」に関する番組を放映

最近では人手不足への対策手段や将来の介護離職防止対策といった視点などから、週休3日制を検討する企業が増えてきています。

2017年8月2日にはNHK「クローズアップ現代」で『「週休3日」最前線 収入はどうなる?残業は?』と題して、週休3日制度を導入している企業の人事担当者や現場で働く人達へのインタビューを元に番組が制作・放映されました。

最初の視点としては、当ブログでも取り上げたように、週休3日制の導入にあたり、「労働時間がどれくらい減るのか」そして「給与はどうなるのか」に関して以下の分類に基づいて分析していました。

  • 1.休日は増やすけれども、出勤日の労働時間を増やすことで総労働時間は変わらない、給与も変えない、というパターン
  • 2.総労働時間を減らし、それに伴って給与も一定の割合で減らす、というパターン
  • 3.総労働時間を減らすけれども給与は変えない、というパターン。

週休3日制導入を「希望する」という人の割合は若年世代で顕著

また、番組では、東京都産業労働局のH28年度「労働時間管理に関する実態調査」結果を見せて、「週休3日制導入を希望する割合」は、50代(50.0%)、40代(50.3%)、30代(52.1%)、20代(59.0%)と、世代が若くなるほど希望する割合が高くなる傾向があることを紹介していました。

そして、家族に要介護者をもつ人が週休3日制の恩恵を受けている事例などを紹介しつつ、時間的には恩恵を得られるものの、収入はどうなるのか、そして増えた時間をどう有効に使っていけば良いのか?といった視点で、再び当ブログでもご紹介させて頂いた、複業人として象徴的な存在となっている中村隆太氏を「副業」によって収入を確保し、また仕事の掛け合わせによって相乗効果を生み出した例として紹介していました。

週休3日制導入するならこの2〜3年が勝負

週休3日制を導入している企業側の紹介として、吉原精工会長吉原博さんの「あと2〜3年すれば、週休3日が勝負だと思う。いろんな企業で、いま取り組み始めているので、いち早くやったところが、優秀な人材を確保するのではないか。」というコメントや、この町工場では生産性が上がって売り上げもこの5年で倍増したという事例が紹介されました。

この吉原会長が言うとおり、『先に企業側がリスクをとって賃金を下げずに労働時間を短縮することに挑戦し、生産性を向上させることによってそのコストを吸収する。良い労働環境がPR効果となって優秀な人材が集まることで更に企業業績が良くなっていく。』という好循環にいち早く入れた企業だけが生き残っていけるのだろうと思います。