ワーク・ライフスタイル

2030年までに今ある仕事の半分は人工知能に奪われる

野村総研と英国オックスフォード大学(マイケル・オズボーン准教授、カール・フレイ博士)との共同研究の結果で、10〜20年後に日本の労働人口の約49%が就いている職業が、人工知能やロボット等により代替できる可能性が高いという推計結果が得られたと発表されたのは2015年12月の頃でした。

アメリカでは過去10年間で会計士が数万人規模で減少

2017年3月15日の日経新聞朝刊に「知識から知恵へ〜AI襲来眠れぬサムライ〜」と題し、米国では過去10年間で会計士が数万人規模で減ったことに触れ、これから迎えるAI時代を生き抜くために苦悩する日本人の弁理士や税理士の姿が描かれていた。

IT活用の先進国であるアメリカでは、既に専門かつ知識レベルの高い職業が人工知能やロボットに取って替わられるという未来が既に現実のものになりつつある。

機械に奪われそうな仕事ランキング

週刊ダイヤモンドが、オックスフォード大学のマイケル・オズボーン准教授が2013年に発表した論文における「機械が代替する確率」と「米国の労働市場統計データ」を掛け合わせて機械に代替される労働市場の規模を算出し、規模の大きさの順番に「機械が奪う職業・仕事ランキング(米国)」として公表しており、ランキングトップ10の職業は以下のようになっている。

  • 1位 小売店販売員
  • 2位 会計士
  • 3位 一般事務員
  • 4位 セールスマン
  • 5位 一般秘書
  • 6位 飲食カウンター接客係
  • 7位 商店レジ打ち係や切符販売員
  • 8位 箱詰めや積み下ろしなどの作業員
  • 9位 帳簿係など金融取引記録保全員
  • 10位 大型トラック・ローリー車の運転手

まとめ

最近の日本では、労働人口減少による人手不足の問題の方が差し迫って大きな問題となっているため、こうした「AI失業」とでもいうべき問題はあまり現実感を伴っていないようにみえる。

今、目の前にある人手不足の問題は「2007年問題」として随分前から予見されていたにもかかわらず、リーマンショックによる不況と長引くデフレによってなかなか顕在化せず、不況を脱したタイミングでブラック企業問題がメディアで大きく取り上げられる等して一気に顕在化した感があった。

このように、本質的な問題は地下の見えないところで着実に進み、臨界点を迎えたところで何かのきっかけで一気に顕在化するものだ。

「人手不足問題」が「AI失業問題」に一気に転換されるタイミングはこれから10年以内に確実に訪れるだろう。皆さんは”その時”への備えはできていますか?

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