パラレルワーク

シェアビジネスで個人が副業することが可能な時代

米国シリコンバレーで、リーマンショック後の2008年頃から広がり始めたシェアリングエコノミーは、瞬く間に世界中に広がり、社会のあり方を変えつつあります。

日本でも、個人の経験に基づくスキルや、空いた時間、空きスペースや車など、様々なモノやコトをシェアする動きが活発化しました。マッチングプラットフォームを使うことでお金を稼ぐ難易度が下がったことで、副業をする人が大幅に増えています。

世界のシェアリングエコノミー市場規模は2025年には35兆円

2016年2月PWC調べによると、2013年に約150億ドル市場だったものが、2025年には3350億ドルにまで拡大するだろうという予想が発表されています。

シェアリングエコノミーで最も有名な会社は「エアビーアンドビー」と「ウーバーテクノロジーズ」でしょう。

2008年に米国で始まったエアビーアンドビーは、個人の住宅や物件を宿泊施設として登録して借りたい人とつなぐプラットフォームです。2020年9月30日時点で220カ国超の国・地域で560万を超える宿が登録されています。

共同創業者の一人であるジョー・ゲビア氏が、「旅行の望みを全てかなえたい、垂直統合は互いのサービスを補完しあえる。エコシステムを大きくしていくことで、より大きな存在になれる」と発言しており、今後は宿泊だけではなく、より広い領域に事業を拡大していこうとしていることが分かります。

また、一般人が持つ自家用車と空き時間を使って配車サービスを行うウーバー・テクノロジーズは2009年に設立され、2019年の売上は約1.5兆となっています。

2016年にはトヨタが同社に出資したほか、ドイツのダイムラーやBMWもカーシェアリングサービスに参入するなど、時代は”所有”よりも”共有(シェア)”に向かっているように見えます。

シェアリングサービスを利用した副業や起業が活発化

シェアリングエコノミーの拡大によって、車や住宅などの遊休資産を持つ人は副収入を得られる可能性が高まります。

自宅の空きスペースや投資物件等を時間貸しして副収入を得られる空きスペースシェアリングや、自宅の車を時間貸しでシェアして副収入を得られるカーシェアリング。そして、駐車場を時間貸しでシェアして副収入を得られる空き駐車場シェアリング等があります。

実際に米国のウーバーテクノロジーズの運転手は副業が多いと言われていますし、東南アジア等ではシェアリングサービスを使って副業したり起業したりといった動きが活発になっています。

日本はこの波に乗り遅れていますが、それでも、外国人観光客の増加による宿泊施設の不足によって宿泊費が高騰した結果、条件付きではあるものの民泊の法整備がなされつつあります。

知識やスキルといったソフトの分野にもシェアサービスが登場

シェアリングエコノミーの中で活用できる資産は、車や家など有形のものに限りません。知識やスキルといった無形の資産もシェアの対象とする動きが広がっています。

情報通信総合研究所の試算によると、2016年の国内シェアサービス提供者が得た収入約1兆1,800億円のうち、”スキルのシェア”に関するものは約750億円を占めており、潜在市場規模は約2,400億円とみられています。また、PwCコンサルティングの野口功一氏は「成長性が最も大きいのはスキルのシェアだ」と強調しています。

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ビザスク

ビザスクのサイト画像▼運営サイト: ビザスク

スポットコンサルティングを提供する「ビザスク」では、専門知識を持つ登録アドバイザーと、社内にはない知見を求める企業とをつなぐマッチングを行っています。

登録者も利用企業も急増しており、利用企業数は2016年8月は前年同月比で8倍近くまで伸びたとのこと。また、利用企業は大手から中小企業まで様々です。

登録者の7割ほどは会社員で35〜45歳の人が多いようです。登録者が手にする報酬は、1時間5,000円から50,000円で平均すると15,000円ほどで、多い人だと月10万円超を手にするといいます。

ストアカ

ストアカのサイト画像▼運営サイト: ストアカ

ストリートアカデミー株式会社が「まなびを自由に、あたりまえに」というビジョンのもと運営しているサービス。

ビジネススキルから趣味の習い事まで個人が主催する教室や講座を5万件以上が掲載されており、33,000名の先生と51万人の生徒が利用しています(2021年1月現在)。

講師になるには資格も経験も必要なく、誰もが自分のスキルを活用して教室やワークショップを開催して副業することができます。

47都道府県の地域ページを展開しており、地域に密着した集客が可能。住んでいる地域でもそうでない地域でも、広く自由に講座を開催することが可能になっています。

講師登録や講座の掲載は完全無料となっており、実際に講座で受講料収入が発生した時のみ、成果報酬ベースで受講料収入の5〜15%を運営元に支払うことになっています。

ストアカの創業者でありCEOの藤本 崇氏によれば、「会社勤めで生活に必要なお金を稼ぎつつ、自分の得意なことを人に教えて副収入を得る、そんなデュアルワーカーを“かっこいい”と思う人が最近増えている」とのことです。

COCONALA(ココナラ)

COCONALA(ココナラ)のサイト画像 ▼運営サイト: COCONALA(ココナラ)

「ココナラ」は2015年に運営を開始した「知識・スキル」のシェアリングサービス。
ワンコイン500円程度と安価な価格帯が中心となっているため、上述した「ビザスク」等と比べると気軽な雰囲気を醸し出しています。

出品する側と購入する側の双方にとってハードルが低いかもしれないものの、それほど高収入が得られるものでもないでしょう。

クラウドソーシングで有名な「ランサーズ」や「クラウドワークス」などと比べるとその点では見劣りするかもしれませんが、一方では、ガイドラインに違反しなければ基本的には何でも売れるということから、アイデアと工夫次第では面白い副業ができるかもしれません。

みんなのサービス

みんなのサービスのサイト画像 ▼運営サイト: みんなのサービス

ANYTIMESが提供する、プライベートレッスンから家事代行まで、近所の人のユニークなサービスを体験できるプラットフォーム「みんなのサービス」。

部屋掃除や、料理代行、家具組立、買い物代行など、代わりにしてもらいたい仕事を、近所で登録しているサポーターに、依頼できる家事のシェアリングサービスです。スマホアプリでも利用可能です。自分がサポーターとして、得意な仕事やユニークな仕事を登録してサービスすることで副収入を得ることにつながります。

「おじいちゃんおばあちゃんになっても変わらない仲良し夫婦の秘訣 5000円」といったユニークなサービス等が登録されています。

終わりに

今後もシェアリングエコノミーは拡大を続け、それに伴って個人の働き方、稼ぎ方はどんどん変わっていくことになると思います。

個人の副業、副収入につながるシェアサービスもどんどん登場してくるでしょう。これからも情報を随時追加していく予定です。

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